秘書の仕事を考えるOliveブログ
秘書に最も大切なこと
「秘書にとって最も大切なことはなんでしょうか」
研修または講演の後や懇親会でよくご質問をいただきます。
重要ですが、漠然とした質問です。
聞きたいのは、最も大切な資質なのか、役員への向き合い方なのか、仕事に取り組む姿勢なのか、秘書チームへの貢献のための心構えなのか。
具体的に聞きたいテーマが不明確で答えに困ります。
資質ならば、人柄とか真面目とか、知識ならば、経営や財務会計の最新情報にも通じているとかを期待しているのかなとも思いますが、そのままの答えではベタすぎて話が続かないですし、私に期待されていることとも違う気がするので、敢えて以下のようにいくつか答えて、それに関する次の質問を待つようにしています。最も・・という質問なので、1つしか回答できないのかもしれませんが。
資質であれば、プラス思考。
仕事に取組む姿勢であれば、手抜きをしないこと。
長く秘書を勤めるためには、人脈。
秘書の仕事を好きになるためには、人生の目標をたくさん持つこと。
ツールでは、ノート。
健康管理では、気分転換と時折しっかり休むこと。
さて、どれに食いつくか。会話を楽しむ機会でもあります。
これらは全て、私が28年間の秘書経験と、25年間の秘書講師を通じて接してきた秘書の皆さんとの会話や、観察して得た結論です。
私の場合、最も大切なものは人脈でした。
私は初代の秘書課長でしたので教えてくれる先輩はいません。皆さんの中にも、秘書の先輩が全てに熟知しているとは限らず、すぐに回答を得られない場合や、会社の誰も経験したことのないことが起きたこともあるでしょう。
初釜や顧客トップのホームパーティに初めて招かれた時に気をつけるべきこと、役員の使いで大使館に行くときのマナーや、大災害や社葬などの対応を、誰に聞けば良いのか。
日常でも、秘書データベースの構築方法、役員と秘書の信頼関係が著しく悪化した時の対応、秘書の目標や評価の見直しなど、多くの悩みの解決や課題達成事例は、秘書人脈からほぼ即答で教えていただきました。
私の場合、初年に秘書組織の新設、2年目に東京地検特捜部の捜査が入り、5年目にニューヨーク同時多発テロ、6年目に現役社長の社葬があり、秘書人脈およびプラス思考人脈を駆使して乗り切りました。災害が起きた時に、経験の少ない私の対策案は説得力がなく通りません。しかし、他社情報によると、A社はこう、B社はこう、C社はこう対応するとのことなので、当社はB社同様とすることを提案しますというと、すぐ決まったことも多々ありました。情報源は秘書管理職仲間です。もちろんA、B、C社の社名は伏せてA社で通します。
秘書管理職仲間も、何年かの交流で私を信用してくれたからこそ、すぐに教えてくれたのだと思います。秘書は信用業です。
私が皆さんにお教えしていることは、何割かは実際に経験したことですが、それ以外は人脈で学んだ受け売りです。秘書管理職のゴールなどは、後者の例です。受け売りでも、学んだことを後輩に伝える大切な役目として、現役の仕事を持ちながら、25年間も講師をしてきました。
最初の社長が、会社のイメージアップになるならと、役員会や行事の準備などがない時は、事前計画をきちんしていれば講師許可を出してくれました。少ない時で年に5回、多い時には20回。 55歳でセミリタイヤして2つの社団法人で事務局長を務めましたが、就任時の条件は年間40回まで講師をすることを認めてもらうことでした。随分身勝手でしたが、その頃はオンライン形式が多かったたので両社とも認めてくれました。
今年は3月に42年間のビジネスパーソンを卒業し、心と身体のメンテナンスをすると決めたところ、いきなり人生初の入院や感染症による3週間の長期入院をするなど、人生は私を休ませてくれません。これらの入院中も、プラス思考、手抜きをしない、を実践したことなどで、模範囚(?)として過ごせ、看護師と秘書のホスピタリティの違いの観察や、医師の許可のもと消化の良いスイーツをお取り寄せし、家族に面会時にもってきてもらうことで5キロ太るなど、なかなかない経験をしました。秘書で学んだことは、必ず異動後の職務、プライベートやその後の人生に活きます。
そのためにはプラス思考であることが必要です。
マイナス思考は、仲間を、仕事を、笑顔とチャンスを失います。皆さんもこの機会に、秘書で最も大切なことを再確認し、すぐ実践することをお勧めします。
プラス思考では、“今日やらないことは、一生やらない”という実践上の戒めもあり ますから。
及川 学
一般社団法人日本秘書協会 ・元常任理事 ・秘書管理職委員会総括責任者 ・認定講師「経営サポート力講座」「秘書基礎講座」「実践危機管理セミナー」 「新任秘書管理職講座」「秘書のための経営知識」などを担当
■職歴
東証2部IT企業で秘書課長、経営企画部長などを経て 上席理事企画推進本部副本部長、コーポレート本部副本部長、 イノベーションセンター長(本部長)関西支店長(本部長) などを歴任。
退職後、 一般社団法人信書便事業者協会事務局長、一般社団法人日本セルフストレージ協会事務局長を勤める。
■現在
今年3月で40年のビジネスマンを卒業。
本業の傍ら27年間の講師活動も、健康メンテナンスのため例年の40回を今年は3分の1に。
25年前に立てた30個の人生目標の残り2つのうちの1つである、東京と故郷(岩手)の二重生活を4月から着手。
■資格
中小企業診断士 BCAO認定事業継続初級管理者(国内BCP資格)
■著作
『秘書室長実践マネジメントマニュアル』代表著者(アーバンプロデュース社) 『よくわかる経営知識』 (日本秘書協会)
■講師歴
経済産業省、総務省、日本秘書協会、 日本IBM、税理法人トーマツ、新日本石油、ボストンコンサルティング、セブンイレブンジャパン、日立製作所、イオン、ブリヂストン、他