秘書の仕事を考えるOliveブログ
Excelはアリ?ナシ? アンケートで見る秘書業務におけるExcel利用の実態
はじめに
Excelは見積書や請求書、売上報告書の作成など事務業務全般で活用されています。秘書業務においてもExcelは利用されていますが、どのような業務で、どれくらいの割合で使われているのでしょうか。 今回は、コロナ禍前後のIT活用とそれらを活用する秘書の役割の変化についてアンケート調査した中から、Excelの利用実態について解説します。
秘書業務とExcel
主な秘書業務には、次のようなものがあります。
- 役員のスケジュール管理
- 役員会議室・応接室の予約管理
- 役員車の予約や配車の管理
- 慶事弔事などの行事、贈答品の管理
- 得意先・取引先のお客様情報の管理
- 接待や手土産購入で利用するお店の管理
- お客様の来訪予定と受付の管理
主だったものだけを挙げてみましたがExcelが向く業務とそうでない業務がありそうです。例えば、コンシューマ向けにもスケジュール管理システム(カレンダーツール)が普及していることから、役員のスケジュール管理もシステムに置き換わっていることは容易に想像できます。一方、贈答品の贈り先や接待で利用するお店など、Excelのリストになっているものもありそうです。
Excelは誰でも使えて便利なツールですが、業務で使う際は注意が必要です。秘書業務に限りませんが、改めて注意点を整理しておきます。
- 複数の人で1つのExcelファイルは共有しづらい
- データが多いとファイルサイズが大きくなり扱いづらい
- 検索機能はあるものの、データが多いと探したいものがなかなか見つからない ・Excelファイルがコピーされ複数のバージョンができてしまう
特にExcelファイルを予約リストとして使っていて、かつ、複数の人でそのファイルを共有する場合、既にある予約をまちがって変更・削除してしまったり、二重予約してしまったりすることがあります。秘書業務でいえば配車予約や会議室予約をExcelファイルで行う時には注意が必要です。
以下では、「役員スケジュールの管理」、顧客情報の管理の一つである「名刺管理」、「役員車の予約や配車の管理」、「慶事弔事などの行事、贈答品の管理」の4つの業務についてシステム化がどれくらい進んでいるのか、それともExcelファイルを使うことが多いのかをアンケート調査をもとに紹介します。Excelには誰でも使えて便利という点と、注意しなければいけない点の両方があることを意識しながら読んでいただければと思います。
アンケート調査で見えてきた秘書業務におけるExcel利用の実態
アンケートの概要
秘書の仕事をリモートワークで行った場合の勤務形態について、リモートワークを取り入れている企業の規模や業種、秘書の役割や仕事の内容の変化とその課題について調べました。
一般社団法人日本秘書協会と株式会社シーエーシーが共同でコロナ禍前後の秘書業務におけるIT活用と秘書の役割についてインターネットリサーチを行い、企業の規模や業種、秘書業務体制、秘書業務の変化、IT活用、課題・取り組み、秘書の役割などの質問に251名の有効回答がありました。
調査対象:現役の企業秘書・秘書管理職 調査手法:インターネットリサーチ 調査期間:2022年8月22日~10月11日 有効回答:251名
役員スケジュールの管理は「Outlook予定表」が最も多い、Excelは11%
役員スケジュールを管理する上で秘書が使用しているツールは「Outlook予定表」が最も多く全体の37%を占めています。「手帳」も16.4%と多くなっています。複数回答可なので「手帳」は他の選択項目との併用ということも考えられますが、まだまだ手離せない役員も多いという現れだと思います。Excelについては、3番目に多く回答者の11%が使用しているという結果になりました。
名刺管理はシステム化が進む、Excelは6.1%
顧客情報の管理の一つである名刺管理については、「Sansan」を利用しているという回答が32.6%と最も多くなりました。3番目の「名刺管理ソフトやサービス」の17.6%と合わせると合計50.2%になり、名刺管理はシステムの利用が主流になってきていることが分かります。Excelについては、回答者の6.1%が使用しているという結果になりました。
役員車の配車管理では39.6%がExcelを利用
配車予定を管理しているツールについては、39.6%が「Excel」と回答しています。「その他」が2番目に多いことも特徴で、管理方法は各社各様であることが伺えます。「配車システム」はパッケージ/SaaS、自社開発を合わせて13.9%となっています。
役員の慶弔贈答管理では68%がExcelを利用
役員の慶弔贈答管理で使用しているツールについては、半数を超える68%が「Excel」と回答しています。慶弔贈答管理で「顧客管理システム」を利用しているという回答はパッケージ/SaaS、自社開発を合わせて12.2%となっています。
今回のアンケート調査より
役員スケジュールの管理ではOutlook予定表、名刺管理についてはSansan などの名刺管理ツールが多く使われていることが分かりました。Excelも比較的少ない割合ですが利用されています。一方、配車管理と慶弔贈答管理ではExcelを管理している企業が多くなっています。システム化の割合は低めでした。
今回のアンケート調査からシステム化されている秘書業務、Excelが多く使われている秘書業務、秘書業務の内容によって濃淡があることが分かりました。言い換えると、秘書業務すべてがシステム化されている企業は少ないということが推察されます。
最後に ― 秘書業務をオールインワンでDX化
秘書業務とは異なりますが、ERP(Enterprise Resource Planning)は会計システムを中心に、企業の基幹システムをオールインワンにパッケージ化しました。このブログを読んでいらっしゃる皆さんの企業でも多く導入されていると思います。
「Olive」は秘書業務を、役員スケジュールを中心にオールインワンにパッケージ化しています。役員スケジュールと連動させて、役員会議室、役員車、慶事弔事などの行事、接待や手土産、お客様の来訪を管理できる点が特徴です。複数のシステムやExcelファイルを行ったり来たりする必要がありません。
秘書業務も企業の業務の一つであり、DX化と無縁ではいられません。システム化による効率性アップや付加価値の向上は継続的に求められるはずです。秘書業務のDX化については「Olive」 までご相談ください。
Olive編集局
「秘書の仕事を考えるOliveブログ」編集局です。このブログでは、日本秘書協会様によるゲスト寄稿や、秘書業務のハウツーやOliveの便利な使い方コンテンツをお届けします。みなさまの、いまの秘書業務の改善やこれからの秘書業務のあり方に、なんらか参考になれば幸いです。