秘書の仕事を考えるOliveブログ
秘書のキャリアを磨く!みんなが考えているキャリアと資格のヒント
近年、人材の流動化が進み、転職をする人も増加しており、リスキリングなどもトレンドになってきています。秘書の方々は、どのようなキャリアやスキルアップを考えているのでしょうか。本記事では現役の秘書の方を対象に、今後のキャリアやおすすめ資格を調査しました。取得している資格なども紹介しています。
アンケート概要
20~50代の秘書の方向けにアンケート調査をおこない、秘書業務におすすめのアイテムを調査しました。
調査対象:Olive News Letter(Oliveのメルマガ)購読ユーザー
調査手法:オンラインアンケート
調査期間:2024年4月16日~2024年5月10日
有効回答:55名
秘書のキャリア満足度はどのくらい?
秘書の方に現在のキャリア満足度を聞いてみました。
アンケートの結果、「とても満足している」と「やや満足している」の合計が66%となり、「不満がある」と「やや不満がある」の合計は14%となりました。現在のキャリアに満足している秘書の方が多い傾向です。
スペシャリストとマネジメントどちらを選ぶ?
スペシャリストとマネジメントのどちらを、今後のキャリアとして希望しているのか聞いてみました。
スペシャリストは、部門秘書から役員秘書、社長秘書などへステップアップを目指し、秘書としての専門スキルを磨くこと。マネジメントは、秘書室などの管理職を目指すことを指します。
アンケート回答としては「スペシャリスト」が33%、「マネジメント」が18%で「スペシャリスト」が多い結果になりました。どちらか「悩んでいる」は18%ありました。「悩んでいる」を含めて秘書という職種に携わっていきたい方が合計で69%と多い傾向ではありますが、「どちらでもない」も31%と少なからずありました。
秘書が目指す今後のキャリアは?
スペシャリストかマネジメントかを問う設問では「スペシャリスト」を選択する秘書の方がやや多かったですが、具体的な今後のキャリアはどのように考えているのでしょうか。そちらについても聞いてみました。
一番多かった回答は、「特に考えていない」でした。キャリア満足度が高く、現状に満足されている方も多いのかもしれません。一方で、「多忙すぎて考えている暇がない」という回答もあったので、考える暇がないだけの可能性もあります。
続いて、「秘書部門の管理職」が24%と多くなっています。組織の管理や後進の育成について、具体的には以下のようなコメントがありましたので、紹介します。
「入社時から代表取締役の秘書業務に就き、現在は上級管理職として秘書業務に携わっていますが、世間の風向きとともに自身の立ち位置も変化しているという自覚で仕事をしています」
「秘書室ではなく事業部の役員秘書を長く続けているので、他部門の秘書と連携し、自分たちが培って生きた経験を活かし、後進を育成できる、部門を超えて信頼される秘書を目指しています」
「社長秘書経験ありますが、もう一度社長秘書を経験したい気持ちと、後進秘書の教育などもいいかと考えたり、年齢も含め、悩んでいます」
アンケートでは「他職種へキャリアチェンジ」も22%ありました。
秘書は思った以上に体力勝負という面があります。ライフステージを意識して、秘書のままでいいのか心配されている回答も複数ありました。将来のことを、より広い選択肢から考えられているコメントについても、紹介しておきます。
「会長秘書として従事させていただいているが、今後のライフプランによって変動できるキャリアへの転身も必要なのでは。秘書業は身体を使うこともしばしばあるため、50代、60代になった時や在宅を余儀なくされたときに対応できる職種へのチェンジも必要かと考えています」
「現在役員秘書・社長秘書と一人で複数の役員秘書を務めている。専任の秘書部門管理職の席がない為、現在の勤務先での管理側のキャリアへの転身は難しい。しかしながら、定年退職まで、現職の業務を続けていていいものかとキャリアパスを考えてしまう」
「企業に所属しないタイプの秘書業務、または秘書業務に関してのTipsをまとめて提供したい」
秘書が取得している資格ランキング
キャリアを考えるうえで切っても切り離せない資格について、秘書が取得している資格で多い資格をランキング形式で紹介します。
1位:秘書検定
一番人気な資格は、やはり秘書検定です。秘書としての実務能力やビジネスマナーを評価するための日本の検定試験です。この試験は、秘書としての基本的な知識やスキルを持っていることを証明するもので、特にビジネスマナー、一般常識、事務処理能力などが評価されます。
「一番の基礎になる資格を取って良かったと思う。もちろん各社のイレギュラーなルールなど、当てはまらない部分も多いが、『一般的には』が分かっていると、心強い」
といったコメントもあり、秘書なら役に立つこと間違いなしの資格です。
2位:TOEIC/TOEFL
TOEIC/TOEFLは英語能力を評価するための国際的に認知された試験です。海外対応をしていくために、英語力も必要性が高いです。
3位:英検(実用英語技能検定)
英検は、公益財団法人日本英語検定協会が主催しています。スピーキングやライティングも評価される資格です。TOEIC/TOEFL同様、英語を学ぶことは業務でも役に立つことがわかります。
4位:マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS) Excel、Word、PowerPointなど
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、Microsoft社が提供するExcel、Word、PowerPoint等に関する知識・操作スキルを評価・証明するための資格試験です。表計算、文書作成、資料作成をするために必要不可欠で、これらのソフトウェアを上手に使うことは業務効率化にもつながります。
5位:CBS(国際秘書)検定
CBS(Certified Bilingual Secretary)検定は、日本秘書協会が提供する資格試験で、国際的に活躍するための秘書能力を証明するものです。この検定は、ビジネスシーンで必要な秘書業務の知識や技能を評価し、特に英語力が重視されているので、外資系企業での秘書を目指す方は保有していると良いでしょう。
5位:ビジネスマナー実務検定
ビジネスマナー実務検定は、日本ビジネス技能検定協会(JBTA)が提供する資格試験で、ビジネスマナーやエチケット、職場での実務スキルを評価するものです。対人スキルの基本を学べます。
ここまで人気資格をランキング形式で紹介しました。
秘書検定は87%が保有している事実上の必須資格になっています。続いて、TOEIC/TOEFLや英検などの語学関連の資格となっており、英語力が求められることがわかります。
趣味を秘書業務に活かせた資格
趣味からはじまり、秘書業務にも活かせる資格も聞いてみました。
まずは定番資格です。
書道
書道を学ぶことで、文字を美しく書く技術が身につきます。手書きのメモやカードを渡す時に相手に良い印象を与えることができます。招待状を書くなど、字を書く機会はまだまだありますので持っていると役立つ資格です。
華道
華道を学ぶことで美的感覚やセンスを磨き、おもてなしの心を養うことができます。集中力も身につくようです。
茶道
礼儀作法が重視されるため、学ぶことで自然と丁寧な振る舞いが身につきます。これにより、来客対応や上司との接し方がより洗練されます。
漢字検定
「難読漢字や苗字などが読めるため」
といったコメントもあり、様々な人と関わる秘書業務では業務に直結する資格です。
続いて、会食設定や手土産選びに役立つ食べ物系、飲み物系の資格です。
日本紅茶協会ティーインストラクター
「ボスへの日々の飲み物や手土産選定の際に役立っている」
とコメントがあり、日々の仕事にも活かせる資格です。
日本茶検定
「美味しいお茶の淹れ方や、茶葉による違い等を知ることができ、日常的に役立っている」
とコメントがあり、日々の生活を豊かにすることができます。
最後に、秘書の方が持たれているユニークな資格を紹介します。
産業カウンセラー
「傾聴力を養い、コミュニケーションやメンタル維持も向上し、秘書業務にも役立っていると思います」
といったコメントがあるように、周囲のメンタルケアやモチベーションコントロールに活かせるだけでなく、自分自身にもメリットのある資格のようです。
整理収納アドバイザー
「要不要の優先順位や取捨選択、人や年齢、生活状況により必要なものは異なるなどの多様性の受容など」
とコメントがあるように自分の価値観も広がります。
フィットネスインストラクター
運動やフィットネスプログラムを指導するための資格です。この資格を通じて、運動生理学、栄養学、トレーニング方法などの専門知識を学ぶことで自身の健康もですが、上司の健康サポートにも役立ちます。
趣味を秘書業務にも活かせる資格を紹介しました。飲み物系や食べ物系の資格は手土産や会食設定に役立ちますね。その他、仕事で必要で「日本酒唎酒師」「野菜ソムリエ」といった資格を取得した方もいました。食に関することは、プライベートでも仕事でも役立つことから人気の傾向です。
まとめ
秘書の方のキャリアや資格について紹介しました。キャリアの満足度は高い傾向にあり、資格では圧倒的に秘書検定が人気でした。
皆さんのキャリアのイメージは膨らみましたでしょうか?
少しでも参考になりましたら幸いです。
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Olive編集局
「秘書の仕事を考えるOliveブログ」編集局です。このブログでは、日本秘書協会様によるゲスト寄稿や、秘書業務のハウツーやOliveの便利な使い方コンテンツをお届けします。みなさまの、いまの秘書業務の改善やこれからの秘書業務のあり方に、なんらか参考になれば幸いです。