秘書の仕事を考えるOliveブログ
会食の場所選び完全ガイド|秘書が押さえるべき基準と成功のポイント
正解がない秘書業務の中でも特に気を使う業務の一つが会食・接待手配ではないでしょうか。
取引先と役員が会食を通じて信頼関係を構築できるかは秘書のお店選びが大きなカギを握っています。
では実際に秘書が会食・接待手配をする際、意識するべきことは何なのか。
本記事では会食・接待手配を任された秘書が意識することやお店選びの基準、管理方法を紹介します。

今回は会食・接待手配について考えてみたいと思います。

会食・接待手配は秘書業務の中でも重要といわれている業務の1つですよね。

そうですね。今回は、お店の選び方や管理の方法について解説します。

はい!よろしくお願いします。
会食の場所選びで秘書が意識すべき3つのポイント

会食・接待相手と役員双方の立場を配慮する必要があるから難しいですよね。

ちゃんとできるか心配です。 失敗しないためには何を意識したらいいですか?

「会食・接待相手の事前リサーチ」
「役員の意図を汲み取る」
「会食・接待場所の信頼性」
この3つを意識するといいですよ。
相手の好みや配慮すべき点を事前リサーチする
秘書が会食・接待で意識するべきこと1つ目は「会食・接待相手の事前リサーチ」です。
事前リサーチでは主に以下の項目を調べておくと良いでしょう。
1.年代
2.性別
3.禁煙・喫煙
4.食事の好悪(和食、中華、洋食など)
5.お酒の好悪(ビール、ワイン、日本酒、焼酎、ノンアルコールなど)
6.パーソナルデータ(ライフスタイルなど)
7.NG事項(塩分や糖質といった食事制限の有無、ドクターストップなど)
メディアに出ている方であれば新聞・雑誌・ネットのインタビュー記事、SNSなどから
情報を収集しやすいでしょう。
一方でメディアに出ない方は会社・接待相手の秘書や自社の担当者に聞いてみても良いですが、より正確な情報を得るなら仕事の合間の雑談でご本人から直接聞き出すのが一番手堅い方法です。
何気ない会話から話を広げて会食・接待相手の情報をさりげなく聞き出してみましょう。

事前リサーチで得たお客様情報は名刺情報とともにデータで管理しておくと
次に同じ相手の会食・接待手配をするときに作業がスムーズになりますよ。

贈答品を選ぶときにも役立ちそうですね。
役員の意図や会食の目的を正しく汲み取る
秘書が会食・接待で意識するべきこと2つ目は「役員の意図を汲み取る」です。
役員にとって会食・接待はビジネスの延長であり、プレゼンの場でもあります。
「役員はなぜ会食・接待を行うのか?」
「役員は会食・接待を通じてどういう展開を望んでいるのか?」
このような役員の意図を把握しておくと秘書はそれに応じた対応がしやすくなります。

例えば商談が目的だとしたら何が必要だと思いますか?

パソコンを開いたり資料を見せたりできる広めのテーブル
あとはコンセントやプロジェクターなども必要か確認します。

そうですね。
取引先の事前リサーチと役員が描いているストーリーを組み合わせると
条件に合ったお店が見つけやすくなりますよ。
会食・接待場所の信頼性と安心感を重視する
秘書が会食・接待で意識するべきこと3つ目は「会食・接待場所の信頼性」です。
会食・接待に向いているお店は私たち秘書のように相手が何を求めているのかを考え
先を読んで行動するサポート体制が整っています。
・料理の上げ下げや声掛けをするタイミング
・手土産の一時的な預かり
・店内や化粧室での他のお客様とのバッティング回避
・アルコール提供時の配慮
(お酒を召し上がらない出席者にはその場の雰囲気に合うノンアルコール飲料を提供するなど)
このようなおもてなしはレビューだけでは判断できないため、実際に足を運んでみて
「ここは会食・接待の場として最適か?」秘書自身の目で会食・接待場所の信頼性を確かめます。
最近は電話だけでなくZoomなどのWeb会議ツールで事前打ち合わせに対応してくれるお店も増えてきていますので
足を運べない遠方のお店でも事前打ち合わせは必ず行いましょう。

会食・接待で利用したお店の感想などは
社内専用の「接待できるお店レビューサイト」のようなもので
秘書間で共有できると便利ですよ。

役員や秘書の評価がわかるお店を検索できたら
会食・接待場所の選び方が安心かつ効率的にできそうですね。
会食に適したお店選びの具体的な基準とは

次は会食・接待場所選びの基準について紹介していきます。

会食・接待に向いているお店の選び方には
どのような基準があるのでしょうか。

「個室の有無」
「取引先の立地」
「会食・接待相手が求めているものを提供できる」
この3つがポイントです。
個室の有無でプライバシーを確保する
会食・接待場所選びの基準1つ目は「個室の有無」です。
会食・接待では落ち着いて話せる雰囲気の完全個室を選びましょう。
機密情報を他者に聞かれないようにする情報漏洩のリスクと
外からの話し声が原因で出席者の集中力や判断力が低下するのを回避することが目的です。

薄い仕切りなどで仕切られているだけの半個室
あとは欄間部分が抜けている個室もNGです。

どのように調べればいいでしょうか?

実際に足を運んで完全個室になっているか確認したり
「会食・接待で利用される方は多いですか?」とお店の方に尋ねてみましょう。
お店によっては個室料金が別途かかることもあるから気をつけてくださいね。
取引先にとってアクセスしやすい立地を選ぶ
会食・接待場所選びの基準2つ目は「取引先の立地」です。
取引先の立地から見て「行きやすいか」「帰りやすいか」の両方を基準に選ぶことが重要です。

具体的にはどのようなことに気をつけたら良いですか?

車で来ることが事前に分かっている場合は駐車スペースがあるお店を、
新幹線で帰る予定があることがわかっていれば
新幹線乗車駅に近いお店を基準に選びます。
会食・接待相手が重視する要素を満たしているか
会食・接待場所選びの基準3つ目は「会食・接待相手が求めているものを提供できる」です。
会食・接待では会食・接待相手が喜びそうなものを用意し、苦手そうなものは避けられるように
食事と飲み物を手配しましょう。
会食・接待ではコース料理を選ぶことが多いと思いますが
コース料理の内容の当日変更は断られる場合があります。
もしコースの予約をする前に会食・接待相手と会う機会があれば
相手にコース料理に含まれるものの中に苦手な食べ物がないか
確認できると尚良いでしょう。
事前のリサーチが不足していてコース料理を予約するのが心配な場合は
出席者がストレスなく自然に苦手なものを避けられるよう
メニューを見て1品ずつ注文するアラカルトや
いくつかの種類の中から選ぶプリフィックススタイルを提供できるお店を選ぶのも
選択肢の一つです。

贈答品を選ぶときと同じように
相手を知ること、相手の立場に立って考えることが
大事ですね。

会食・接待相手ファーストで心地良い空間づくりを目指しましょう。
会食の目的別に考える場所選びのポイント
ビジネスシーンにおいて会食は、単なる食事以上の意味を持ちます。信頼構築、交渉、情報交換など、その目的は多岐にわたります。秘書として重要なのは、その目的にふさわしい場所を選定すること。ここでは、目的別に会食場所選びのポイントを解説します。
信頼関係の構築が目的の場合
初対面の相手や、今後長く付き合う可能性のあるビジネスパートナーとの会食では、落ち着いた雰囲気で会話しやすい場所を選ぶことが重要です。個室がある、静かな環境、丁寧な接客の店が該当し、和食、フレンチなど格式あるジャンルが良いでしょう。店の格式と、相手の地位や文化的背景とのバランスを取ることも考慮に入れておくと良いです。
交渉や打ち合わせが目的の場合
ビジネスの具体的な話をする場では、集中しやすく、話がしやすい環境が求められます。テーブルが広め、周囲の声が気にならない空間を選択しましょう。Wi-Fi環境や電源の有無が必要な場合は事前確認を必ずしましょう。
海外ゲストの接待が目的の場合
異文化理解とホスピタリティが重要になります。相手の国の文化や宗教的背景に配慮した選定が必須です。日本文化を感じられる演出、英語対応スタッフの有無の視点は重要です。会席料理、寿司、鉄板焼など伝統的な和食が挙げられます。
注意点としては、ベジタリアンやアレルギー対応、宗教的な食事制限に配慮が必要です。
内々の情報交換や親密な関係構築が目的の場合
オープンに話しにくいテーマが含まれる場合、プライバシー確保が最優先です。完全個室、信頼できるスタッフ、目立たない立地などの観点で選択しましょう。
お忍びであることを念頭に、店側と事前の打ち合わせも必要になります。 秘書の手配一つで、会食の印象は大きく左右されます。目的に応じた空間演出と配慮が、円滑なビジネス関係の第一歩となります。
当日の対応とマナー:会食の成功のために
- 到着と会場準備
秘書は会食開始の15〜30分前には到着し、店側と最終確認(席順、メニュー、アレルギー対応、会計の方法など)を行います。
会場の清潔さ、騒音、空調、照明なども確認しましょう。
特別な演出やサプライズ(贈答など)がある場合は、事前にリハーサルや打ち合わせを済ませておくことをお勧めします。 - 上座・下座の配置
上座は目上の方やゲストの席となり、出入口から最も遠い席になります。
下座は主催側の席となり、出入口に近い席になります。秘書は最下座または補助の位置に控えましょう。
円卓やカウンター席の場合は、店側と相談しましょう。目立たず、店のサービスを受けやすい席が主催者にとって適切な席となります。 - 出迎えと案内
ゲストの到着時は店の入り口で出迎えます。
雨天時は傘の用意、冬場はコートの受け取りなどにも気を配りましょう。
エレベーターや階段を利用する場合も、ゲストに先を譲りましょう。
席への案内はゲストをスムーズに上座へ誘導し、「どうぞこちらへお掛けください」などと柔らかく声をかけましょう。 - 会食中の気配り
秘書は基本的に同席しませんがが、同席する場合は補助役に徹しましょう。
飲み物の残量、料理の進み具合をチェックし、ゲストに食事の好みや制限がある場合、店に追加で伝える柔軟性も必要です。
同席の場合は、相づちや話す場合も最低限とし、雰囲気を壊さないようにしましょう。 - 会計のタイミングと方法
ゲストに気づかれない会計が鉄則です。
会食の終盤、デザートやお茶のタイミングで席を外して済ませるのが理想です。 - 見送りと帰りの手配
お見送りは玄関先、可能ならば外まで行きましょう。
コートの受け渡しや手荷物の確認、タクシーのドアサービスまでサポートし、雨天時にはタクシー乗車まで傘を差し、濡れないよう配慮しましょう。
タクシー手配など、ゲストの交通手段に応じた対応も必要ですので事前に確認をしておきましょう。 - アフターフォロー
会食翌日には、お礼メールや手紙の送付を主催者の名前で準備しましょう。
特別な贈答があった場合は、その到着確認やフォローも忘れずに行いましょう。
秘書の対応は、会食全体の印象を左右する「縁の下の力持ち」です。準備・当日・アフターケアまで一貫した配慮ができることで、主催者とゲスト双方の信頼を得られます。
会食・接待手配をスムーズに進める秘書室システム「Olive」とは
会食・接待手配は意識するべきことが多いため、時間がかかってしまって大変ですよね。
いつ、どこで、誰が、どんな会食・接待をしたか
過去の会食・接待手配を素早く検索して秘書業務の効率化を図るなら
秘書室システム「Olive(オリーブ)」がおすすめです。
顧客管理に会食・接待場所の管理、会議室の予約といった機能は公開範囲を決められるため
安全を確保しつつ、役員と秘書が1つのシステムで情報を共有できます。
また、1度情報を共有すれば次回以降、違う担当者が業務に取り組むことになったとしても
検索すれば、前回はいつ誰がどのように対応したのかがわかります。

初めて取り組む業務のときは、こういう情報があると心強いですよね。

はい!こんな機能が使えたら日々の業務が軽減できそうです。

会食・接待は取引先と役員が親睦を深める大きなチャンスの場。
出席者のことを第一に考えたおもてなしを秘書とお店双方が提供することが
会食・接待手配で失敗しないためのポイントです。
秘書一人ひとりが会食・接待で利用したお店の基本情報をはじめ
その時の出席者、会食・接待の目的、手土産などをOliveの接待場所管理機能に登録していけば
自社専用「接待できるお店レビューサイト」の完成。
会食・接待向けのお店かどうかのレビューはもちろん
自分が担当していない現役員及び退任役員の情報も把握できるため
同じ業務に携わる秘書全員が同じ質の仕事をこなすことが期待できます。
Oliveにはこのほかにも現場で働く秘書の声を取り入れた機能を多数搭載しています。
デジタルを活用した一歩先の秘書業務を検討されている方や秘書の働き方改革に関心がある方
その他Oliveに関する質問・相談がある方はお気軽にお問い合わせください。
最適な導入・運用を全力でサポートいたします。
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