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新たなスキルアップ 〜秘書EQ力の発見〜

「秘書にはEQ力が必要だと思う」と、秘書経験のある方や秘書業務に長く携わっている方々とこの話題で盛り上がることがありました。

秘書が業務を遂行する上で必要な資質には、相手の感情の状態を認知する力に長けていることや、自分の感情を知覚することなどが挙げられます。また、「相手の要求を的確に察知できているか」「ものごとを客観的に捉え冷静に分析できているか」「相手の立場を考慮しバランスが取れた判断をしているか」「相手を尊重し礼儀を欠いていないか」など、秘書は常に相手との状況に合わせて最高のフォロワーシップを発揮しなければなりません。

私自身、新人秘書の頃を振り返ってみると、自分の感情コントロールがなかなかできず、何かにつまずくと前向きになれない自分に落ち込むことがありました。日々の秘書業務を通じてさまざまな人と関わり、多岐にわたる案件への対応や難しい課題解決など、数多くの経験を経て秘書マインドが醸成されたように思います。

心の知能指数といわれるEQ ( Emotional Intelligence Quotient )とは、「自分と相手の感情を把握し、適切に感情をコントロールすることで、最善の思考や行動を導く能力」と定義されています。

EQ 教育の第一人者である加来勝正氏(ジャパンラーニング株式会社 代表取締役社長)は「EQ は誰もが開発できる希望の持てる能力である。『感情』と向き合い、『行動』を変えていくことで『価値』が生まれる」と説いています。そのEQ理論は、イェール大学のピーター・サロベイ博士とニューハンプシャー大学のジョン・D・メイヤー博士が1990年に初めて論文 “Emotional Intelligence” で発表した概念です。彼らの研究結果では「ビジネスで成功している人は、ほぼ例外なく対人能力関係に優れている」つまり「情動(感情)が私たちの行動に重大な影響を与えている。感情をうまく管理し、利用することは知能である」と提唱されています。

その後、米国企業に人材育成の一つとしてEQスキルアップが導入されました。ビジネスに必要な能力には、I Q、業務知識、専門スキルや経験など、さまざまなものが考えられます。優れた人材は、これらに加えて仕事に対する高いモチベーションや相手の気持ちを理解し、周囲の人と共感し、行動できる能力を備えています。その行動力のベースになるのがEQというわけです。

秘書に求められるコンピテンシーは前述のとおりです。他方、EQのファクターにも自己認識力、人間関係構築力、コミュニケーション力、状況分析力、自制心、向上心、冷静さ、対応スピード力、情報収集力などが挙げられます。つまり、“秘書とEQは絶妙のマッチングなわけです!”

昨年、秘書のEQ力を数値化・可視化するというプロジェクトを立ち上げ、テストトライアルを企画実施したところ、ベテランと経験の浅い秘書との比較では、明らかにベテラン秘書の秘書E Q力が高いという結果が得られました。EQ理論における博士らの言葉に重ねるならば、秘書EQ力は個人の意識や努力、経験によりスキルアップさせることができる力なのです。

秘書という仕事を通じてEQ力を高め、さらに充実した人生やキャリアアップにつなげることができると信じています。

このコラムの執筆者

丸山 ゆかり

一般社団法人日本秘書協会 特別顧問、同協会認定講師
1995年度ベストセクレタリー(日本秘書協会主催)
株式会社チュニーズ・カンパニー 代表取締役

製薬会社にて社長秘書・秘書課長、国際本部営業部欧米課課長。その後、化粧品販売会社の取締役副社長を経て、起業。秘書現役時より、専門学校・大学の秘書実務講座などに出講。企業研修のほか2005年より日本秘書協会にて「秘書実務」「接遇マナー」「テーブルマナー」などを担当。同協会にて長年理事を務め、2018年より特別顧問に就任。

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