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Olive秘書フォーラム2005

秘書室システムOliveは、1996年に販売を開始しました。役員業務におけるセキュリティ確保と情報共有を両立させ、秘書室が企業の情報戦略活動の要へと進化するためのご支援をしています。発売以来、Oliveは、お客様のご要望にどうお応えするか、各社様向けのカスタマイズを考えつつ、試行錯誤しながら成長してまいりました。2005年5月にはWeb版もリリースされ、多くのユーザー様からご注目いただいております。
このフォーラムも13回目を数え、今回初めてご参加なさった方々もたいへん多くいらっしゃいます。基調講演では、東京海上日動火災保険株式会社の田渕恵美子・増田雅子両氏から、Oliveを業務に根付かせていった同社秘書室の取り組みについてお話を伺いました。プログラム最後の懇親パーティでは、実際にOliveのデモをご覧にいれながら、皆様にご親交を深めていただきました。
このフォーラムが、さまざまな企業で秘書業務に携わる皆様にとり、共通する悩みや課題について情報交換できる場となれたら幸いです。CACは、Oliveもこのフォーラムも、皆様の手で作っていただくものだと考えております。

開催日:2005年10月13日(木)
会 場:東京コンファレンスセンター・品川
主 催:株式会社シーエーシー

基調講演

秘書室を見える化~秘書室業務を効率・標準・共有化するために…私たちの挑戦~
東京海上日動火災保険株式会社
秘書室  田渕 恵美子 氏
 増田 雅子 氏

東京海上日動火災保険株式会社は、顧客の信頼をあらゆる事業活動の原点に置いています。保険業務の徹底強化を通じ、安心と安全を提供することにより、豊かで快適な社会生活と経済の発展に寄与することが当社の目指すものです。その一環として、災害対応や顧客満足のための取り組みはもちろん、地球環境の保護や地域社会貢献にも尽力しています。 当社では、2005年7月に秘書室システムOliveの本稼働を開始しました。ここでは、Olive導入を決定し業務に根付かせていくまでの取り組みについてお話ししたいと思います。当社秘書室の例が、お集りの皆様にとってヒントとなれば幸いです。

[講師略歴] 
田渕 恵美子 氏:1985年に旧東京海上火災保険株式会社に入社。火災新種業務部で主に信用保証保険の開発管理に携わる。1997年から秘書室勤務となり、常務および社外監査役2名を担当。課長代理として活躍し、秘書室にとっては中核的存在。Olive導入に際しては、仕様の確認・検討・決定などの中心的役割を担う。
増田 雅子 氏:1991年に旧東京海上火災保険株式会社に入社。当初から秘書室に配属となり、15年目を迎える。専務を担当し、秘書室における業務推進役として活躍。育児と仕事の両立も実現させている。Oliveの本稼働後も、中心メンバーの1人として運用に携わる。

■システム導入前の秘書室の体制
Olive導入前の秘書室では、役員1人に対しマンツーマンで担当秘書がつき業務を行っていました。各役員-秘書間で業務が完結し、担当外には見えにくい閉ざされた世界だったといえます。多忙な役員の刻々と変わるスケジュールをリアルタイムに把握するのはかなりの労力を要すうえ、個々のスケジュールが紙ベースで、関連情報が各秘書に属人化しやすいという難点もありました。役員-秘書の縦の関係は良好でも、横の情報共有が弱かったのです。こうした秘書室の体制は、時代の流れとともに、コスト、スピード、セキュリティなどの点でさまざまな限界を見せ始めました。
業務の効率アップやセキュリティ強化が重要視される現在、合併後の秘書室のあり方を考えるうえでも、こうした問題点は効率化の足枷です。これを解決し秘書室の価値を高めるには、まず秘書業務のプロセスを抜本的に見直す必要があります。第三者には中身が見えにくい従来の環境をいかに「見える」ようにするか。当社秘書室ではこれを「見える化」と呼び、「見える化」が秘書業務の標準化・効率化・共有化につながると考えました。その基盤として不可欠なのが、統合データベースの構築と情報の電子化です。ここで、秘書室システムOliveが検討対象として浮上しました。

■本格稼働に至る道
当社がOliveを選んだ理由は、 1)秘書業務専用のソフトであり、大企業を中心とするさまざまな業種の50社以上で導入実績があること、 2)既存ユーザーのOliveに対する評価が高かったこと、 3)セキュリティや拡張性の面 から最も優れたソフトだと総合的に判断したこと、 4)ユーザーの要望がバージョンアップに反映され、サポートも充実していること、 5)マウス使用が基本で操作しやすいこと、 6)スケジュール管理と会議室予約や来訪者記録などの諸機能が連携していること、などです。Olive導入が社内で正式決定するまでの間、本当に自分たちが望む効果 が得られるのか、さまざまな検証と取り組みを続けました。
導入企業に話を伺い、使い勝手だけでなく、導入までの過程や、秘書室内のルール作成、およびシステム管理についての現在の利用状況や課題などを洗い出し、導入後に起こりうる問題点を可能な限り一つひとつ潰していきました。導入企業の方に当社へお越しいただき、室員全員にOliveでのスケジュール管理について「生の声」を聞かせていただいたこともあります。さらに、デモ機によるテスト入力を繰り返し、難易度の確認や仕様変更の可能性などさまざまな角度から機能の検討を行って、従来の紙のスケジュール表のメリットやこれまで独自に蓄積してきたノウハウをできるだけ活かせるように考えました。2004年10月には合併もあり、業務量 増加に加えてOlive導入と、秘書室員の負荷はなかなか多大であったと思います。
一番のポイントは、使い慣れた紙のスケジュール表をいかに早く外していくかでした。最初にスケジュールの登録・入力ルールを作成しましたが、秘書室には従来の紙のスケジュール表の記入ルールがあったため、予想より短時間で済みました。このとき一番意識したのは、検索などにより情報を正確なデータとして活かすこと、および入力データを見やすく美しい帳票として出力することです。そのため、開始・終了時刻の曖昧な予定の入力に工夫したりしました。インストール間近になると、秘書室員に登録ルールや入力方法の研修を行いました。その際、室員を若手やベテランなどのタイプ別 、使用方法の限定される派遣社員などにグループ分けし、全員が同じ歩調で前に進めるよう情報提供に努めました。せっかく導入したシステムも、全員が使いこなせなければ全体として期待する効果 が得られないからです。こうした努力が奏功し、Oliveがインストールされると、紙のスケジュール表からの完全切替は予想より速いペースで進みました。
本格稼動に至るまでには、同時に、システムの運用ルールや各ユーザーのアクセスレベルの設定、システムのバックアップ体制の検討なども行ったほか、役員にとってもより一層使い勝手のよいシステムになるよう、当社独自の帳票を検討し、作成しました。
そして2005年7月、新役員体制のもと、Oliveの本格稼働が始まりました。

■システム導入効果とさらなる展開


田渕 恵美子 氏・増田 雅子 氏
Olive導入による最大の利点は、リアルタイムに情報共有できることです。役員-秘書間の縦系統に加え、横の連絡系統・情報共有の関係がスムーズにできあがりました。この「見える化」の実現により、秘書室内の重複作業の減少、日程調整に要する時間や労働の軽減、検索効率の向上、ファイリングスペースの削減など目に見える効果 が実感され、総じてコスト(特に時間コスト)の削減につながっています。さらに、Oliveを通した人材教育、業務量の把握による適切な要員配置、標準化による業務のスリム化、タイムリーな情報提供、情報共有によるコミュニケーションの促進、セキュリティの強化などが実現されました。
効果は大きいですが、当然ながら課題もあります。画面表示などの機能面や、より高レベルな活用をするための運用面の双方で、導入後も多くの要望が出てきました。これらについては、現在、CACと一緒に解決方法を模索しているところです。これまでの取り組みの中で、利用者側が、自分たちにとってよりよいシステムになるよう働きかけていくことの大切さを実感しています。
今後、支店などへの展開を増やす中で、Web版の検討も必要となるでしょう。本店秘書のOlive習熟度を、全国からの照会応答に対応可能なレベルに引き上げることも重要です。Web版の検討と同時に、主要支店の秘書業務の運営方法について、それぞれのニーズに合った運用を行っていこうと考えております。

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