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Olive秘書フォーラム 2008 Autumn

CACの秘書室システム「Olive」は、秘書業務に特化したグループウェアです。1994年に開発に着手してから多くのお客様にご愛顧いただき、このフォーラムも15回目となりました。このたびは、会場のオーナーである森ビル株式会社様に事例をいただいております。
最近は、米国に端を発した金融危機により世界的な景気の減速が懸念されています。日本でも、企業の決算などで厳しい数字が連日のように発表されており、経営陣の皆様は情勢を見極めて手立てを講じることに一層注力されていることでしょう。そうした経営トップにとってなくてはならない存在である秘書室の皆様も、これまで以上に日々気を使われているのではないでしょうか。今回のフォーラムでは、そうした皆様にとって有意義な機会をご提供できたと思います。そして、皆様をご支援していく立場のCACも、フォーラムを通じてさまざまなご意見を得、それをOliveに反映させることにより、皆様にとっても経営トップの方々にとっても、なくてはならない存在であり続けたい、と考えております。
今後とも、OliveとCACをご愛顧いただけますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

開催日: 2008年11月12日(水)
会 場: 六本木アカデミーヒルズ49「スカイスタジオ」
六本木ヒルズクラブ「the club room I」
主 催: 株式会社シーエーシー

基調講演

私たちの秘書業務の効率化
~リアルタイムな情報共有と業務の効率化・高度化を目指した私たちの挑戦~
森ビル株式会社
秘書室 石川 ゆり子 氏

大きな組織で、多忙な経営トップを支えていくには、秘書同士の確実な情報共有が不可欠です。森ビル秘書室では、効率的な情報共有と業務のブラッシュアップを同時に実現させるため、秘書室システムOliveを導入されました。社長はじめ役員の方々のスケジュールを正確に把握し、さらに、企業にとって非常に重要な「顧客情報」を安全に運用するセキュリティも確保して、システム導入の有効性を実感しておられるとのことです。ここでは、Olive導入で得られた具体的な効果などを中心にお話を伺いました。同秘書室の皆様は、早くも、業務を高度化する次の段階を見据えておられるようです。同秘書室による業務改善のプロセスは、他の多くの企業の皆様にとっても必ずお役に立てることと思います。

[講師略歴]
2003年、森ビル株式会社入社後、住宅営業事務センターにて住宅物件の入退居管理簿処理および物件稼動の月次報告書作成を担当。2003年12月より秘書室勤務。現在は、社長専任秘書を担当するなど森ビル秘書室の中核として活躍。



・森ビル秘書室の特徴
 当社には8名の社長専任秘書がいます。その業務はスケジュール管理にとどまらず、社長と社内各部署とのパイプ役、森ビルと行政とのパイプ役、海外からの来賓の応対、各種パーティの対応など、多岐にわたります。役員と役員秘書の数も多く、役員と秘書は1対1の体制です。また、秘書全員が同じ場所にいるのではなく、社長秘書は秘書室で、各部署の役員秘書は各部署で、と離れた執務室でそれぞれ業務を行っている点も当社の特徴でしょう。全員が責任の大きさと役割を日々実感しながら業務に携わっています。
 当社の事業領域は多岐にわたります。トップに立つ社長からは各部署の役員へ日々さまざまな指示が出され、役員からも社長への報告や相談が間断なく行われます。多忙をきわめる社長や役員をサポートするには、各々が担当している社長、役員の予定の把握が必須であり、秘書同士のタイムリーで正確な情報共有が欠かせません。物理的な執務環境は分かれていますが、システムを介して常に最新の情報を共有しています。秘書同士が連携することにより、社長や役員の業務を円滑にし、結果的に会社全体の業務効率向上につなげているのです。

・Olive導入による課題解決
 旧基幹システムのサポートが終了し、リプレースが必要になったとき、スケジュール管理や顧客管理の新システムについても既存の汎用ソフトがいくつか検討されました。その結果、旧システムの機能を補完し、情報共有やセキュリティなどの面でも充実していたOliveが最有力候補に上がりました。導入の際、Oliveで解決したのは、主に以下の7点です。
(1)タイムリーな情報共有と詳細なセキュリティ設定
 Oliveでは役員一人に対し何人でも秘書ユーザーを登録可能です。特に社長秘書8名は同時にシステムを利用し、タイムラグなく常に最新の情報を共有しています。また、11段階のセキュリティ設定や、スケジュールの内容ごとに指定したユーザーのみに公開する設定により、ユーザーの閲覧権限を詳細に定められます。セキュリティを備えた細かな情報管理・共有が実現し、非常に有効と実感しています。
(2)多くの役員ユーザー、秘書ユーザーへの対応
 Oliveでは、担当役員対担当秘書、担当外の役員対秘書、また役員同士など多くのユーザーについて、スケジュール閲覧権限を詳細に設定できました。
(3)スケジュールの予定・実績管理
 旧システムでは「社長予定」に「実績」を上書きして管理していましたが、Oliveでは「予定」と「実績」を別の役員として登録できます。予定と実績を後から比較することが可能になり、10時半の会議が遅れて始まった、1時までのミーティングが1時半まで長引いたなどが一目瞭然で、非常に重宝しています。
(4)旧システムに限りなく近い帳票
 新システムへの抵抗感を減らすため、また社長や役員からも使い慣れた帳票を継承してほしいという要望があったため、森ビル独自の帳票を開発してもらいました。
(5)膨大な顧客情報を確実に移行
 蓄積された顧客情報は貴重な財産であり、確実にすべて移行したいと考えました。が、旧システムに比べOliveのほうが顧客情報項目が少なかったため、同時期に全社的に導入された顧客システム「Webカスタマン」に、旧システムの顧客情報をいったんすべて移行しました。続いてOliveをカスタマイズしてWebカスタマンとのオンタイム連携を実現し、Oliveが持つ顧客情報項目についてのみOliveに移行しました。現在、Webカスタマンから自動的にOliveへ上書き反映する方法で、Oliveの顧客情報を常に最新に維持しています。
(6)顧客情報とスケジュールの連携
 これらは旧システムでは連携しておらず、来社した顧客の情報を調べたいときは、スケジュールと顧客メニューの両方から検索する必要がありました。また、スケジュールの顧客情報はすべて手入力で入力形式もバラバラだったため、検索の障害になっていました。Oliveでは、スケジュールと顧客情報が連携しており、さらに、スケジュールに載せる顧客については、顧客情報から呼び出して登録するため、入力内容も統一されています。そのため、検索が容易かつ正確になり、これまで検索や確認作業で発生していた時間的なロスが解消されました。
(7)配車管理の効率化
 用件・行先・乗車役員などをもとに配車を組むため、配車管理はとても複雑です。配車表も従来は毎回手書きで作成しており、非効率でした。Oliveでは配車帳票が標準搭載され、スケジュール画面からボタン1つで配車画面へリンクしているので、配車管理も帳票に書く手間も削減できました。
 以上のような導入効果に加え、スケジュールバーの長さや色で所要時間や行動区分を視覚的に認識できることも効率化に一役買っています。また「期間スケジュール」という新たな機能により、たとえば、出張の予定と、出張先でのスケジュールをそれぞれ別に登録することができ、利便性が向上しました。

・Oliveに望むこと
 今後のOliveに要望したい機能的な改善点を以下に挙げます。
(1)担当役員以外のスケジュールについて、閲覧だけでなく出力にも制限をかけたいと考えます。出力を不可にしてコピーを防止すれば、スケジュールの漏洩防止につなげられます。
(2)現在の顧客情報欄では、対象顧客が持つ複数の役職は確認できますが退職は確認できません。これは非常に重要な項目であり、退職の有無を含め情報項目を拡充したいと思います。
(3)秘書が閲覧可能な配車情報を担当役員部分に限定するなど、配車管理システムの改善を望みます。これにより他の配車情報が見えず、役員に不公平感も誤解も与えずにすむと考えます。

・課題解決を目指し、秘書室の挑戦は続く
 秘書室では、次の3点を今後の課題として考えています。
(1)顧客情報の全社共有: Webカスタマンを全社共通の顧客システムとし最新情報を共有することで、招待状や中元・歳暮リストの作成などを含め、業務の効率化を図りたいと思います。
(2)業務マニュアルの整備: 新人の配置や人事異動の際、引継ぎによる業務のレベルダウンを最小限にするため、これまでも行ってきた業務マニュアルの整備を進めたいと考えます。
(3)膨大な資料の整理: 過去の業務や案件に関する膨大な資料は、多忙で整理が追いつきませんが、不要な資料を処理し、いつでも最新の資料を取り出せるように改善したいと思います。
 激務をこなす社長や役員からの指示は時に短く、まさに「一を聞いて十を読み取る」能力が求められます。現場をサポートし、役員の行動のロスを防ぐため、秘書は日々フル稼働で対応しているわけです。業務をOliveでシステム化したことにより、私たちは、リアルタイムな情報共有と、業務の効率化・高度化のスタート地点に立てたのだと言えるでしょう。今後も努力を惜しまず挑戦し続けたいと考えています。

テーマセッション

What's New Olive 2008
株式会社シーエーシー AMOユニット AMOコラボレーション部
舟本 英嗣
 2009年3月末にOlive CS版のサポートが終了します。この機会にぜひOlive Web版への移行をご検討ください。Web版では各ユーザーのパソコンへのインストールが不要になり、管理工数が削減できます。また、ユーザーライセンスがフリーになるので、ユーザー数の拡大をご検討中であれば、余分な費用をかけずに実現が可能です。CACでは、2008年2月にWeb版Ver 1.21aを、11月にはVer 1.3をリリースしました。バージョンアップは毎年11月ころを目処に実施して機能の拡充を図ってまいります。
●Olive Web版Ver 1.3の改善点
(1)登録文字数上限の変更: スケジュール管理機能、個人情報管理機能を中心に、登録可能な文字数を増やしました。たとえば、個人情報管理機能の備考欄では、従来の20倍となる半角4000文字/全角2000文字までの入力が可能になりました。登録可能な文字数増については、以前よりユーザーの皆様から強いご要望をいただいていたため、本バージョンで実現させていただきました。
(2)月間イメージ帳票の追加: この帳票の追加により、選択した役員一名分の1か月分のスケジュールが印刷可能になりました。秘書の皆様が担当なさる役員の方に、1か月分のスケジュールを見やすいバー形式でご提出することが可能になります。
(3)日時予定表の変更: 従来の日時予定表について、出力項目は変えずに様式を変更した帳票を追加しました。例えば、「場所」につきましては、帳票の右側に設けた欄に記載されるように変更しています。この帳票の追加により、日時予定表は2通りの表示方法から選択できるようになりました。
●Olive Web版オプションツールについて
 Olive Web版のオプションツール(無償)を3つご紹介します。
(1)役員更新ツール: 役員交代によるスケジュールの引継ぎ時に使えるツールです。選択した日付以降の役員スケジュールを、後任の役員の方へそのまま移行することができ、これまで手入力で修正していたスケジュール変更が容易になります。
(2)個人情報取り込みツール: Olive以外で管理されているほかの顧客データを、Oliveの個人情報管理へ、Excel形式により一括で取り込めるツールです。その際、取り込みたい顧客データが、すでにOliveの個人情報管理に登録されていたら、「上書き/新規追加/取り込みを行わない」という3つの処理方法から選択して処理できます。取り込み対象となるのは、氏名や家族構成、勤務先の住所・メールアドレス・部署名などを含む35項目です。
(3)Outlook連携ツール: OliveのスケジュールデータをOutlookの予定表に移行できます。日時・件名・場所だけでなく、Oliveのスケジュール詳細画面に入力されている相手先・出席者・備考などもOutlookの本文詳細欄へ反映することが可能です。また、反映させたくない項目のチェックをOlive上ではずせば表示内容を制限できるので、Outlookを通して他部署に公開したい場合に一定の制御をかけることが可能です。Outlookと連携する方法は、手動処理と、定期的な自動処理の2つから選択します。
 これらのツールは2009年1月末にご提供する予定で、確定しましたらWeb版ユーザーの皆様には改めてお知らせいたします。

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