秘書の仕事を考えるOliveブログ
手土産選びは想像力。秘書が実践する「外さない手土産選び」のポイント
社長や役員の訪問・来客に伴う手土産選びは、秘書が担う重要な業務の一つです。
ただ有名な品や定番の商品を選べばよい、というわけではありません。「持ち帰るのに重すぎないか」「先方のオフィスで分けやすいか」「ご自宅に持ち帰られた場合、ご家族にも喜ばれるか」――。手土産一つを選ぶにも、相手の状況に応じたさまざまな配慮が求められます。
今回は、Olive News Letter購読者を対象に実施した「わたしはこう選んでいます 2026」アンケートから、手土産選びで重視されているポイントや、実際に喜ばれた事例をご紹介します。
アンケート概要「わたしはこう選んでいます 2026」
秘書の仕事は「選ぶ」の連続です。アンケートで秘書の皆さんが「仕事で使っているおすすめアイテム」「仕事で選ぶお店や手土産」「AIとの関わり方・活用方法」を、どういう基準や観点で選んでいるかをアンケートで聞きました。
調査対象:Olive News Letter(Oliveのメルマガ)購読ユーザー
調査手法:オンラインアンケート
調査期間:2026年7月23日~8月23日
回答数 : 43回答
秘書が手土産選びで重視するポイント
秘書の皆さんは、どのような点を意識して手土産を選んでいるのでしょうか。
アンケートで「手土産を選ぶときに重視すること」を聞いたところ、受け取った後の扱いやすさや、相手の状況に配慮した選び方が上位に挙がりました。

※複数回答可。有効回答数:181件
最も多く挙がったのは「日持ちするもの」で、34人が回答しました。次いで「個包装になっているもの」が30人、「季節に合ったもの」が29人、「重くなく、サイズがかさばらないもの」が27人でした。
お渡しした後、先方の秘書やスタッフの方が部署内で配る場面を想像すると、賞味期限が短かったり、切り分ける必要があったりする品は、かえって相手に負担をかけてしまうことがあります。
日持ちと個包装は、受け取った後の扱いやすさに直結するため、多くの秘書が重視しているようです。また、「季節に合ったもの」も多く挙がりました。その時期ならではの季節感を添えることで、形式的な贈答にとどまらず、相手に楽しんでもらいたいという配慮がうかがえます。
「重くなく、サイズがかさばらないもの」という回答からは、相手に持ち運びの負担をかけない工夫も見て取れます。 自由記述では、次のような声が寄せられました。
・会社訪問なのか、会食やゴルフなのかで選ぶ基準を変える
・ネットでは買えない、実店舗限定のものを選ぶ
・地元にゆかりのある品を選ぶ
このように、相手の状況や好みに合わせて、品物だけでなく購入方法や渡す場面まで考えていることが分かります。
相手に負担をかけない手土産選び
国内の訪問はもちろん、海外や遠方からのお客様を迎える場面など、訪問・来訪の状況によっても手土産選びのポイントは変わります。
1. 海外のお客様への配慮
海外のお客様をお迎えする際には、食文化や宗教、嗜好の違いを踏まえた確認が必要です。アンケートでは、次のような点を事前に確認しているという声がありました。
- 宗教上の理由で食べられないものがないか
- アレルギーや食習慣に関する制限がないか
- あんこなど、特定の味や食感が好みに合うか
- アルコールや特定の原材料が含まれていないか
また、江戸切子や箸など、日本らしさを感じられる品を贈る際には、その意味や背景を説明する英語のメッセージカードを添えるという工夫もありました。 品物を選ぶだけでなく、相手がその品を理解し、受け取りやすくするところまで配慮している点が印象的です。
2. 持ち運びやすさと保存性への配慮
遠方への移動や出張が伴う場合、手土産の重さやかさばりやすさ、賞味期限は重要な確認事項になります。贈る側にも受け取る側にも負担をかけないよう、軽くて日持ちするものを選ぶことはもちろん、常温で持ち運べるかどうかも大切です。
お持ち帰りいただく場合は、移動時間や保存方法、受け取るタイミングまで想定しておくと、より安心してお渡しできます。
3. 渡した後の場面を想像する
先方のオフィスで配られるのか、ご自宅に持ち帰られるのかによっても、適した手土産は変わります。オフィスで配られる場合は、個包装であることや、人数に対して十分な数量があることが重要です。一方、ご自宅に持ち帰られる場合は、ご本人だけでなくご家族の好みや人数も考慮すると、より喜ばれる可能性があります。
手土産は、渡した時点で役割を終えるものではありません。相手がどこで、誰と、どのように楽しむのかまで想像することが、選定のポイントになります。
実際に喜ばれた手土産の例
ここからは、アンケートで寄せられた「実際に贈って好評だった手土産」と、それにまつわるコメントをご紹介します。
虎屋の羊羹
“先方の奥様の大好物であるという事前情報をおさえ、ピンポイントでお渡しした“
定番の商品であっても、相手の好みを踏まえて選ぶことで、より印象に残る手土産になります。事前に得た情報を、実際の選定に活かした事例です。
九段下さかぐち「京にしき」
“ネット通販にはない、店舗に自ら足を運んで手配した”
オンラインで購入できる商品が増えた現在でも、実店舗に足を運ばなければ手に入らない品には、特別感があります。 相手のために購入方法まで考え、ひと手間をかけることが、贈り手の思いを伝える場合もあります。
富士見堂「あんこ天米」
“甘いものがお好きなお相手に喜んでいただけるため”
相手の好みを把握したうえで、定番とはひと味違う商品を選んだ事例です。日頃から情報を集め、選択肢を持っておくことが、こうした場面で役立ちます。
治一郎のバウムクーヘン(個包装)
“誰に贈っても外さない確かな安心感”
“個包装という実用性”
これまで贈って喜ばれた経験に裏打ちされた安心感と、個包装という実用性を兼ね備えた選択です。相手の好みに左右されにくく、配りやすい商品を選ぶことは、先方の負担を減らすことにもつながります。
鈴懸の和菓子
“ご自宅に持ち帰られ、ご家族にも大変喜ばれた”
ビジネスの場でお渡しした手土産が、ご家族との団らんの時間にもつながった事例です。 ご本人だけでなく、ご家族にも楽しんでもらえるかどうかを考えることで、手土産の選択肢はさらに広がります。
これらのコメントからは、「相手の好み」「渡した後の状況」「ご家族への配慮」など、手土産を渡した後の場面まで想像して選んでいることが伝わります。
有名なブランドを選んでおけばよいという型どおりの選び方ではなく、相手にとっての扱いやすさや楽しみ方まで考えることが、満足度につながっているようです。
手土産選びの決め手は「想像力」
手土産選びで重要なのは、商品知識だけではありません。相手の状況や気持ちを想像し、受け取った後の場面まで考えることです。
お相手の業種や役職、訪問の目的に応じて、ふさわしい品を検討することも大切です。表敬訪問や商談、関係構築を目的とした会食など、場面によって適した手土産は異なります。
また、お持ち帰りいただく場合は、移動時間や保存方法、受け取るタイミングまで想定しておく必要があります。
アンケートの自由記述でも、次のような声が寄せられています。
- 移動の多い方や遠方からいらっしゃる場合は、かさばらないか、日持ちするか、移動中の負担にならないかを一番に考えて選ぶようにしている
- その日の商談の性質や先方の社風に合っているかも意識している
相手に必要以上の負担をかけず、受け取って嬉しいと思ってもらえるものは何かを考える力。こうした先回りの配慮こそ、秘書の仕事に求められるプロ意識の一つといえるでしょう。
手土産選びの知見を組織の資産に変える
どのような手土産が喜ばれたか、取引先ごとにどのような好みがあるか、過去に何を贈ったか――。
こうした情報は担当秘書個人の記憶やメモに残りやすく、担当者が変わると引き継ぎが難しい「暗黙知」になりがちです。
秘書室システム「Olive」では、来客・訪問履歴や応対記録とあわせて、取引先に関する情報を蓄積し、組織のナレッジとして活用できます。手土産選びについても、たとえば次のような情報を記録しておけば、過去の知見を次の選定に活かせます。
- 取引先や担当者の好み
- 過去に贈った手土産
- 贈った時期や場面
- 受け取った際の反応
- 避けた方がよい食材や商品
- 先方の社内で配布する人数の目安
日々のリサーチや、相手を思って重ねてきた工夫を記録しておけば、担当者が変わっても過去の対応を踏まえて準備できます。個人の経験を組織で共有することで、一貫したサポートを行いやすくなります。 手土産選びをはじめ、取引先ごとの対応履歴や秘書間の引き継ぎ情報を組織で活用したい方は、秘書室システム「Olive」の詳細をご覧ください。
まとめ
今回のアンケートからは、秘書の皆さんが手土産を選ぶ際、商品の知名度だけでなく、次のような点を重視していることが分かりました。
- 日持ちするか
- 個包装になっているか
- 季節感があるか
- 軽く、持ち運びやすいか
- 相手の好みや状況に合っているか
- 渡した後に扱いやすいか
手土産選びは、単に品物を選ぶ業務ではありません。相手の状況を把握し、受け取った後の場面まで想像して準備する、秘書の細やかな気配りが表れる仕事です。
その知見を個人の経験だけにとどめず、組織のナレッジとして蓄積・共有することで、次の対応の質をさらに高められます。
Olive編集局
「秘書の仕事を考えるOliveブログ」編集局です。このブログでは、日本秘書協会様によるゲスト寄稿や、秘書業務のハウツーやOliveの便利な使い方コンテンツをお届けします。みなさまの、いまの秘書業務の改善やこれからの秘書業務のあり方に、なんらか参考になれば幸いです。
